ラーメン・スープ

旨み成分+乳化された油成分の旨み

寸胴



ラーメンの最大の魅力は何と言ってもスープであると思います、ではラーメン・スープの魅力は何処にあるのでしょうか?、同じ麺類であってもうどんの和風スープとは根本的に異なります、しかし旨み成分である、イノシン酸、グルタミン酸、等のアミノ酸の成分は、化学的には大きく変わりません。
 ラーメン・スープの特徴は和風出汁には無い油成分にあります、油に長時間熱を加えて油の粒子を細かくしてゆく乳化にあります、この旨み成分+油成分の旨みがラーメン・スープの最大の特徴です、このバリエーションのパターンは無限にあり、そのためそこに個性が生まれ、独自の魅力となっております。

ゲンコツ

豚骨

豚骨をベースにしたスープです、部位にはゲンコツ(大腿部)、豚足、アバラ、ペテン(頭)等があります、基本的に長時間強火で煮込んで使用します、特にゲンコツはその関節部分のコラーゲンが豊富で、骨髄の旨みと相俟って、そのドスンと来る旨みは近年ラーメン・スープの主流になりつつあります、その旨み成分はイノシン酸が主体です、博多ラーメン、久留米ラーメン、熊本ラーメン、等はシンプルな調理法で豚骨の魅力を前面に出しております。

春木屋

鶏がら

にわとりの肉と内臓を取払った本体の鶏がらと、足の部分のモミジがあります、この鶏がらはラーメン・スープのみならず、あらゆる料理に用いられております、旨み成分の主体はグルタミン酸です、強火で調理すると豚骨と同様白濁した乳化スープとなります、代表的な例は【天下一品(こってり)】です。これとは反対に弱火で沸騰する一歩手前で煮込みますと澄んだスープに仕上がります、これは野性的な乳化した豚骨スープと対極にあり、上品な風味のスープです、代表的な例は関東荻窪の【春木屋】です。

魚介類

魚系では、鰹節、鯖節、アゴ(トビウオ)、煮干、等があり、その他に定番の昆布、貝類のホタテ等があります、特にホタテの旨み成分コハク酸は上品な出汁が出ます、低価格の、割れ、パウダーがあり多くのラーメン屋さんが隠しアイテムとして使用しております。

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合わせスープ、ダブル・スープ

春木屋 

スープの旨みは合わせる事により、更に倍加されます、代表的なのが豚骨と鶏がらでスープを取った合わせスープです、イノシン酸とグルタミン酸は合わせる事により単独より倍加されます、1+1=4といった具合です。

 ダブル・スープは、豚骨、鶏がら、の動物系スープに、魚介系スープをミックスしたものです、これは両刃の剣であり、バランスの取れた場合は良い結果となりますが、バランスの崩れた場合は悲惨な状態となるので注意が必要です。


ブタ

教訓 : 現在東京で流行っている、つけ麺のダブル・スープには疑問を持っております、濃厚豚骨に煮干がブレンドされたスープ、あの煮干の生臭い香りは、いくら流行りとは言えボクは苦手です。


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