くにおか

店舗

西方の雄、【くにおか】

約二十年前、徳島のラーメン食べ歩きに凝っていた頃、こちらの【くにおか】さんのラーメンにはまってしまいました、市内から結構遠いのですが、週に何度も通ったのも今ではいい思い出です。

 その頃丁度「ラーメンまんぷくBOOK」が発行されました、当時は現在の様にインターネットが普及されておりませんから、このガイドブックは大変重宝いたしました、発刊されたのは1993年、編集人/住友達也、発行所/株式会社あわわ、定価980円であります。

ラーメン
 この「ラーメンまんぷくBOOK」は現在のタウン誌、あわわ、ASA、タウトク、等とは編集内容大きく異なっております、商業ベースの広告が殆どありません、読み物としての内容の充実に重点を置いた編集となっております、この本の編集には相当手間隙かかったと推察されますし、店側と雑誌社側の「ヤラセ」の匂いは殆ど感じられません、したがって定価980円は当時としては高価ではありますが、内容を考えると十分納得させられます。

 当時はこの「ラーメンまんぷくBOOK」を頼りにその殆どは制覇いたしました、デジタルカメラ何ぞありませんから、レポートはキャンパスノートに詳細に書き留めておりました、現在この本を改めて見てみますと、閉店してしまった店も多少なりとも御座います、そんな中で残っている店はやはりそれなりの内容である、と思っております。

 こちらの【くにおか】さんの存在もこの本で知りました。


濃厚かつ芳醇なスープの草分け

濃厚かつ芳醇なスープの存在は、仕事で東京に行った折、熊本ラーメンの【桂花】とか、北海道の味噌ラーメン【純連】等で知っておりましたが、地元徳島ではお目にかかった事がありませんでした、ところが初めて【くにおか】さんの存在を知り、「おお〜、徳島にもあったんだ」と感激、その後幾度となく通ったものです、ただ、人気店であるが故、場合によっては早い時間に売り切れとなってしまい、食べられず帰ってきた苦い思いも御座います。

ラーメン

秀爺を従え、久々に【くにおか】さんを訪れました、味の方は濃厚かつ芳醇なスープは変わりません、ただ、かって程の感動は感じません、これは店の方が変わったのではなく、ボク自身の受け方が変わったのであろうと思われます、昨今徳島でも濃厚なスープを出す店も多くなりました、したがって濃厚なスープに慣れてしまったのでは無かろうか?、と思います。
 注文したのは肉小と普通の小です、肉入り小を一つ注文したのは、この画像を撮りたかったので、本来は肉入りの必要はございません、何故ならば多量の冷たいチャーシューはスープの温度を下げてしまうからです、また、チャーシューの肉材は比較的安価なモモ肉を使用しており、肉の美味しさを味わうという程のグレードではありません、相対的に考えるとスープの温度が下がる方のデメリットが大きいです、この傾向は同種店【王将】さんにも言える事です。

濃厚スープの問題点

かって【くにおか】さんのラーメンを食べた後は必ず喉が渇き、水を何杯も飲んでしまいます、食べている間は別にショッパくは無いのですが、食べた後には猛烈に身体が水を欲求します、この事柄は疑問に思っていたのですが、この疑問に明快な回答をして頂いたのが、横浜ラーメン博物館の今は亡き広報部長の立石氏でありました。
 立石氏曰く「濃厚なスープは乳化が十分に行届き、スープの単位体積当りの油の粒子の密集度が上がる、油の粒子は塩分を包み込み、人間の味覚は油が塩分をマスキングしてしまう、したがって濃厚スープが丁度いい塩分と思う味の場合は、相当多量の塩分が必要」との事でした、納得です、それ以降濃厚スープを食する場合注意深く味わうと、確かにその傾向があります、濃厚スープは美味しい反面知らぬ間に大量の塩分を摂取する危険性があります。

 ボクにとって【くにおか】さんのラーメンは美味しさと健康面で色々な問題提起を学習させてくれました、まあ、月に一度位なら美味しく味わってもいいでしょう、ラーメンは一寸位身体に悪そうな位が美味しいものです、ただ、無闇に濃厚なスープは「過ぎたるは及ばざるが如し」で、現在はバランスの取れた塩分で美味しく調理されたラーメンを好みます。

2012 11/12

美馬市脇町大字脇町540-1


[前ページ]

[トップ]